~ 危篤と臨終の場 ~


危篤の連絡について
病院から危篤を告げる連絡がきたら、臨終の場に立ち会ってもらいたい相手に連絡をとります。
報告する方は、親類縁者や友人・知人の他に、勤務先や学校の関係者等です。その際「誰が・いつ・どこで・どうなったか」を、間違えないようしっかりと伝えましょう。
末期の水、湯濯(お清め)、着替え
臨終を告げられたら、ご遺族や近親者の方々で「末期の水」を行います。
その後、湯濯としてご遺体の全身をアルコールやお湯で丁寧に拭き清め、耳、鼻、肛門等に綿を詰めます。
最後に、ご遺体に「死化粧」を施し「死装束」を着せます。こうしたご遺体に施す死後の処置を「清拭」といいます。
死亡診断書・火葬許可証
市町村役場に「死亡届」を提出する際には、お医者様による「死亡診断書」が必要です。死亡届が受理されると戸籍が抹消され「火葬許可証」が交付されます。
今日では、ご遺族自身で行わず、葬儀社が代行する場合がほとんどです。
~ 通夜の準備 ~


喪主
故人の配偶者が喪主を務めるのが一般的です。
ただし、配偶者が高齢であったり他界していたりする場合は、その次に故人と縁の深い方(長男等)が務めることになります。
ご遺体のお迎え
ご遺体をお迎えする準備として、神棚に白い紙を貼り「神棚封じ」を行います。仏壇がある場合は、忌があけるまで仏壇の扉を閉じたままにして、ご遺体をお迎えします。
また、自宅で通夜・葬儀をする、しないに関わらず、玄関に「忌中札(忌中紙)」を貼ります。
枕飾り
自宅にお迎えしたご遺体は「北枕」か「西枕」で安置し、顔を白い布で覆います。
そして、ご遺体の枕元に白木の台、または白布を掛けた小机を置き、線香、ロウソク、花等を供えて「枕飾り」とします。
枕経・納棺
「枕飾り」の後、お坊様にお願いしてご遺体の枕元でお経を上げていただきます。これを枕経といいます。その後、死装束と死化粧を済ませたご遺体を、家族全員で静かに納棺します。
棺に納めたご遺体の周りには、故人の愛用品や好物等をお添えしましょう。
~ 通夜 ~

弔問の受付・僧侶の到着
受付係は来訪された弔問客に芳名帳への記帳をお願いし、その後会場へとご案内します。
お客様によっては香典を持参される方もいらっしゃるので、その場合は香典をお預かりしましょう。
お坊様が到着されたら控室へご案内し、式の時間までお待ちいただきます。その間、お茶とお茶菓子をお出しします。
~ 葬儀と告別式 ~


葬儀・告別式の準備
葬儀とは、故人の冥福を祈り成仏することを願う儀式。
告別式とは故人に別れを告げ、参列者に挨拶をする儀式です。
これらは本来区別して行われますが、最近では明確な区別をせず、ひとつの流れで同時に行うことが一般的となっています。
一般的な葬儀・告別式の式次第
- 遺族・参列者の着席
- 開式の言葉
- 僧侶の入場
-
弔辞朗読・弔電紹介
※読経(葬儀)の後に行われる場合もあります。 - 読経(葬儀)
- 僧侶の焼香
- 喪主・遺族の焼香
-
読経(告別式)
※省略する場合もあります。 - 一般参列者の焼香
- 僧侶の退場
- 喪主または親族代表挨拶
- 閉式の言葉
~ 出棺と火葬 ~


最後のお別れ・出棺
出棺前、祭壇に供えた花で棺の中を満たし、故人と最後の対面となります。
対面後お棺の蓋を閉めますが、その際に石を使って棺に釘を打ちつける場合があります(石打、釘打ち)。棺の蓋を完全に閉じた後出棺となり、喪主は葬儀に参加してくれた参列者に対して、感謝とお礼のご挨拶をします。
火葬・納めの式・骨あげ
喪主・遺族といった、故人に近しい関係の順で分散乗車して火葬場へ向かい、到着後、火葬場に火葬許可書を提出します。火葬炉の前の祭壇にお棺を安置して、故人と最後のお別れ(納めの式)をします。お坊様が同行された場合は、読経を勤めてもらいましょう。
火葬後には遺骨を骨壷や骨箱に納める作業を行います。この「骨あげ」には、遺骨を箸から箸に渡し納める作法と、2人1組でひとつの遺骨を拾い納める作法があります。遺骨を拾い上げる順番は焼香と同様、喪主から縁の深い参列者順となります。基本的な作法は火葬場の係員が説明してくれますが、まず歯を拾い、次に足から順に上半身へと進みます。最後に喉仏を喪主が拾い上げるのがしきたりです。
最後に、火葬済の証印を押してもらった火葬許可証と、分骨する場合は火葬証明書を受け取りましょう。
後飾りと中陰壇
留守居役は遺骨をお迎えするための後飾りを準備します。
後飾りは、中陰の期間に設けられる祭壇であることから「中陰壇」とも呼ばれており、遺骨、白木の位牌、遺影を安置し、ロウソク、供物等をお添えします。
精進落とし(お斎)繰上げ初七日法要
葬儀を終えた後の会食を、一般的に「精進落とし」または「お斎(とき)」と呼びます。
本来は忌明けに精進料理から通常の食事に戻すことを意味しますが、現在は初七日法要の際に、僧侶や世話役等の労をねぎらう宴席として行われることが多いようです。